11.外国出願特許権の維持
日本に出願した後、米国やヨーロッパ先進国でも特許を取得したいと思いますが、いかがでしょうか。
 
  日本特許出願を基礎とする優先権を主張して1年以内に米、英、独、仏といった国に外国出願をする必要があります。
      ヨーロッパにつきましては、EPCという統一特許制度がありますので、EPC出願し、英、独、仏というように特許をとりたい国を指定します(出願時に自動的に全加盟国が指定されますので、審査請求の際に特定の国を指定します)。それ以外の国につきましても、ほんどの国に優先権を主張して出願することができます。
  外国出願は、日本出願を英語に翻訳する必要があるため、翻訳費用がかかります。通常の米国出願ですと10000ワードくらいになり、ワード単価60円としましても、翻訳料だけで60万円になっていまいます。これに図面実費、日本特許事務所費用、米国代理人費用、米国特許庁費用などが加わりますと、出願時だけで100万円を超えてしまいます。EPC出願は英訳は米国出願のものをそのまま使いますが、それでも出願時に50万を超える金額となります。
  最近は、中国出願や韓国出願も増加しています。いずれも日本語又は英語から現地語に翻訳しますので、50万前後の費用が出願時に発生しています。
  出願後は、審査手続により拒絶理由を示した庁指令が出され、意見書補正書を提出して応答しますと、ここで数十万の費用となります。そして、特許登録されますと、そこで登録料がかかり、更に、権利存続のために年金を払います。外国出願は大変な金食い虫です。出願国に製品を輸出しているとか現地生産しているといった背景が必要です。
   
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