1.特許の出願
新しい診断方法を考えております。診断方法について特許をとることができるのでしょうか。
基本的にQ4の治療方法と同じです。人間を診断する方法は、医療行為であり、産業上利用することのできる発明に該当しないとしており、このため診断方法は特許を取得することができません。
この診断方法には、病気の発見、医療目的で、各器官の構造・機能を計測して各種データを収集する方法(X線や超音波)、及び症状などについて判断する方法(心電図)が含まれます。
ただし、医療目的以外の目的での診断方法、例えば、美容のために皮膚を測定する方法、服を仕立てるために体格を測定する方法、指輪を作るために指を測定する方法は、該当しません。
診断方法の特許を取得することはできませんが、先生の考えている診断方法に、何か新しい医療機器を必要とするのであれば、医療機器につき特許をとることができ、もし、その医療機器がなければ診断方法が実施できないようであれば、医療機器の特許を取得することで、実質的に診断方法の特許を取得したと同じ結果が得られます。
また医療機器の特許出願の中に、医療機器を使用した新しい診断方法を実施例として詳細に記載しておけば、出願公開された際に、先生の考えた新しい診断方法を世の中に公開し、医療分野の発展に寄与することができるという論文発表的な側面もあります。
これに対し動物を対象に治療する診断方法は、動物は法律的には物にしかすぎませんので、医療行為に該当せず、特許を取得することができます。だたし、人間が対象に含まれないことを明らかにすることが必要です。
米国においては、診断方法は特許として認められています。ただし、医師が医療行為として特許を実施しても権利侵害にはなりません。
ヨーロッパ特許法(EPC)は医療行為を特許の対象としていませんので、治療方法は特許をとることができません。
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