知財相談コーナー
1.特許の出願
アイデアにつき知財を確保したいと思いますが、費用や時間がかかりそうなので、あまり乗り気になれないのですが。
 
  特許出願となりますと、費用や時間の点で個人の方としては負担が大きくなり、出願してもメーカー側で採用してくれないと、全てが無駄になるかも知れません。このようなケースに対応する方法として次のような知財モデルがあります。
   
      まず実用新案登録します。実用新案登録出願しますと、出願から約3ケ月後に、新規性や進歩性といった実体審査なしで登録査定となって実用新案権が発生します。実用新案権は出願から10年で終了します。出願から3年以内の間にメーカーと製品化を進めます。もし、製品化が決まりましたら、出願から3年以内に特許出願に出願変更するか否か検討し、特許権を取得する必要がある場合は、出願変更して特許権を取得する手続を開始します。出願変更に伴う費用はメーカー全額負担が可能になると思います。
  この知財モデルのメリットは次の通りです。
1.実用新案登録出願の事務所費用、印紙代は特許出願に比べ低額です。務所費用、印紙代は特許出願に比べ低額です。
2.特許出願のように審査請求印紙代や拒絶理由通知に対する意見書補正書の提出が必要ありませんので、大幅に費用が節減できます。
3.必要があれば、特許出願に変更できますので、最初から特許出願せず、メーカーの製品化を前提に知財を確保することができます。
  この知財モデルは、個人の方のみならず、中小規模のメーカーにもお勧めしています。特許出願は権利発生までに時間と費用がかかりますが、まず、実用新案登録出願で対応すれば、速やかに権利を成立させ、直ぐに製品化しても知財で第三者に対応可能です。そして、出願から3年以内にじっくりと特許出願への変更を検討すれば良いのです。特許出願に変更しなくとも、実用新案権は10年維持できます。10年という権利期間は知財の活用期間としては充分です。10年を越えて重要な知財は例えば薬剤発明のような特定の分野に限られ、医療機器などの分野では、そうあるとは思われません。しかも、特許権の場合、権利の維持年金が10年目までは年3万円程度と低額ですが、11年目からは3倍の年10万円程度と高額になり、この点かららも実用新案権の権利期間10年は妥当といえます。
   
    知財相談コーナー(Q&A)に戻る
Copyright TAKEUCHI &MIZUNO INTERNATIONAL PATENT OFFICE All rights reserved